私は、30年近い会社勤めをしてきましたが、そのおかげで、組織内の様々な人間模様を観察する機会を得ました。
その経験をもとに、職場の人間関係がストレス化する事例・要因を探りたいと思います。
以下、何かしらお役に立てば幸いです。
トップのご機嫌取りが最優先となっている:
日本の会社、特に大企業では、トップでない人間は肩書に関係なく、全員サラリーマンです。
トップの下では、社長ですら只の人・・
信じられないかもしれませんが、社長ですらトップ(例えば会長)の御意向に日々神経をすり減らしている有様です。
特に経営職の立場の者は、トップの気まぐれや思い付きに過度に敏感に反応します。
上の意向に敏感なのは悪くありませんが、思考停止レベルの状態なのです。
不思議ですが、こういう会社の経営幹部が発する言葉には全く力が無く、含蓄もありません。
会長、社長、専務、部長・・・、誰の言葉も門切り型で心に響かず、記憶に残らないのです。
末端の社員に伝わらないような訓示は時間の無駄です。
叙勲目的で無用に長く居座るトップ:
起業した本人でしたら、その会社にトップとして何年、年十年君臨しても誰も文句は言えません。
しかし、創業者や起業家でもないサラリーマン後継者が、10年以上も居座ると弊害しか生まれません。
長く居座るのは居心地がいいからです。
そういうトップは人を育てませんし、育ちません。
腰巾着やイエスマンだけで周りを固めるのが常ですので、自分より能力があるものを引き上げようとしません。
引き上げるのは、自分より能力が劣り極度に従順で、耳障りの良い報告をなるべくたくさんした者だけです。
提案型人間、異論直言型人間はすべて排除されてしまいます。
さらに、トップが財界活動に熱心になると、従業員の気持ちや姿が見えなくなります。
経団連は働き方改革と称して、体のいい従業員搾取政策を推し進めていますが、そういう動きに問題意識を持つことも無くなります。
財界や業界での存在感を増し、なるべく位の高い勲章を得るために長く居座ろうとします。
自分が勲章を授かれば嬉しいでしょうが、叙勲記念パーティを会社の費用で大々的に開催し、それに付き合わされる社員や関係者の気持ちを考えることはありません。
世間の流行りに乗って英語学習を推奨する:
いくらグローバル企業と言っても、社員全員が英語を必要としているわけではありません。
全社員に対してTOEIC受験を勧めるのは、悪いことではありません。
しかし、目的もなく流行りに乗っているだけのことも多いのです。
地道な努力を重ねてハイスコアを獲得した者に対して冷淡なのが、その証拠です。
他の資格だったら月に数千円の手当を払っているのに、TOEICスコア900点超えの社員に対しては一円も払わないのをどう思いますか?
英語力をつけても、その能力に対して敬意を払う気がなく、生かす気もないということです。
もちろん、英語学習自体は悪いことではありませんが、会社の方針に沿って長年努力した者に報いなければ信用されなくなるでしょう。
大幅なモチベーションダウンは避けられません。
戦略のない外国人採用。反省もなく繰り返される失敗:
グローバル採用という流行りに乗って、外国人を積極的に採用するのは悪いことではありません。
ジョブフェアで重役自ら面接を行い、多くの外国人を入社させるのを見てきました。
しかし、その多くは3年以内にほとんど辞めていきます。
ヒドイ場合では半年も持たなかったケースもあります。
経営陣に、長期的な視野で外国人材をどう生かしていくかという戦略や展望が欠けているのです。
そういう外国人社員が、用件もないのに社内パーティに呼ばれたことがありました。
トップに紹介するのが目的だったのです。
グローバル企業として多様な人材が活躍している様をトップに示し、そのトップのご機嫌をとるために採用した、と言われても反論できないでしょう。
言葉、生活習慣、価値観の異なる外国人社員を押し付けられた社員は負担ばかり増えて、ロクなことがありません。
上司のご意向は法律よりも優先される:
いわゆるブラック企業には、社員を疲弊させるおかしな慣習がたくさんあります。
社員を通勤路に立たせて朝の挨拶運動をさせる、早朝に会社周辺の清掃活動をさせる・・など
挨拶も掃除も悪いことではありません。
しかし、就業時間外で社員を拘束するならば、時間外手当を払わねばならないのですが、全くその気がありません。
「なんで時間外手当を払わないんですか?」なんて疑問を口にする社員は、会社に居にくくなります。
時間外労働手当を払わないのは法律違反ですが、そんな問題意識を持っている者は管理職になれません。
上の意向には有無を言わさず従う、軍隊的組織の悪しき慣習といえましょう。
労働基準監督署の指摘を受けて、ようやく廃止されるのが常です。
この程度の初歩的な判断すら監督署に指摘されないと出来ない・・・これが「一流企業」の実態です。
従業員に還元しない:
従業員たちの地道な努力の結果、全社的な利益が上がっても、給与として還元しようとしません。
いわゆる相対評価方式を採用し、全員が頑張っても全員をプラス評価にしないのです。
上司は自分のお気に入りに高評価を付けるために、無口で大人しいな者を低評価にするのです。
部署全体としての給与支払額を抑えるのが目的です。
文句を言う者は仕方なく高評価をすることがありますが、報復としての左遷や、仕事を干して退職に追い込むなど嫌がらせが横行しています。
もしも景気が悪くなり、会社の売り上げや利益が落ちたら、責任は部下に取らせるのが基本です。
自宅待機という名の嫌がらせを行い退職を強要するのは常套手段です。
経営者が利益を従業員に還元せず、すべて株主配当に回そうとする心理も働きます。
自社の株価を高くすれば保身につながりますし、株を保有していれば自身の利益にもなるからです。
経営者の堕落ぶりを見せられると、社員のモチベーションは下がります。
部下が仕事をやり易くする環境整備に無関心:
会社にとって一番大切なのは従業員です。
優先順位は、従業員→協力会社→顧客→地域社会→株主、の順番です。
この原則に反する経営が横行しています。
社員が働きやすくするため腐心するのが経営者の仕事なのに、株主を最優先し、社員は搾取の対象としてしか見ていない場合があります。
そういう会社では、上司にとって部下は踏み台でしかありません。
目立たないが地道に努力する不器用な人間をないがしろにします。
役割が終わったらポイ・・
地道な作業をしてきた者に対する敬意と感謝がありません。
60歳になっただけで、一律、新人並みの給料に下げてしまう理不尽さ、いい加減さ・・
長年に渡り蓄積した知識・経験・能力に敬意を払う姿勢がないのです。
また、他部署・他人の手柄を横取りすることを躊躇わない輩がのさばります。
そうやってトップに名前を覚えてもらえれば、めでたく「出世」できるのです。
そういう会社の社員はモチベーションが下がるばかりです。
社内天下りの問題もあります。
門外漢のくせに他部署のトップに天下り、生え抜きたちのモチベーションを下げる構図はよく見られます。
「どんなに努力しても部長にはなれないな・・」と感じている社員のことを考えたことがないのでしょうか?
天下りが出来るのは、トップのお気に入りや、派閥の親分のお気に入りだけです。
派閥がはびこって支配的になると、どこかの派閥に属して親分に気に入られないと昇進できません。
仲良しグループも度が過ぎると、なれ合いになり緊張感を失わせます。
派閥外の者は、やりにくいだけです。
組織全体としては衰退の道をたどります。
特に、不景気など危機的状況の時に脆さを露呈するのです。
最後に:
以上、私の経験をもとに、思いつくまま人間関係によるストレス要因を述べてきました。
あなたの会社に当てはまるものはありましたか?
最近の若い世代は、昔と比べて、自分の意見を言おうとしません。
言われたことしかやらず、聞かれたことしか答えず、愚痴は言うが怒らず、陰口ばかりが得意です。
ある意味、組織を信用していない証拠ではないでしょうか?
あなたは、これからの長い人生、いまの会社に身を捧げる覚悟が出来ていますか?
清濁併せ呑む覚悟が出来ていますか?
もしも、「これ以上付き合っても人生の時間の無駄だ」と感じているなら、転職も選択肢になります。
原則を忘れた経営をしていると、一時的に繁栄しているように見えても、長期的には衰退するものです。
ニュースで聞いていると思いますが、かつて世界に名をとどろかせた「一流」企業が衰退し淘汰される例は珍しくありません。
マスコミは報じませんが、リストラで悲惨な目に遭っている従業員は数知れずです。
あなたは、今勤めている会社にどこまで付き合うつもりでしょうか?
別の会社に目を向ける気はありませんか?
転職エージェントは親身な相談に乗ってくれますが、カウンセリングを含め、利用料金はかかりません。
転職するかどうか未定でも構いません。
カウンセリングを受けると、自分の置かれた客観的状況を知ることができます。
これだけでも大きなメリットといえます。
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皆様のご健闘をお祈りいたします。
以上