日本一入社してはいけない会社を避けていますか?
みなさんは、どうやって会社を選んでいますか?
知名度?規模?売上高?利益?株価?
業種?職種?転勤の有無?給料?福利厚生?
様々なことを考慮して選択するのは時間と手間がかかり、大変な作業ですよね。
こちらが望んでも採用してもらえるとは限りません。
人気企業は何万人も応募がありますから、最初からあきらめている人も多いと思います。
「安定性」というキーワードに惹かれて、公務員関係は相変わらずの人気ですね。
仕事は生活の糧であり、就職や転職は人生の節目ですから、慎重になるのは当然です。
この記事では、会社選択の基準について少し考えたいと思います。
そもそも会社とは誰のために存続しているのか?
起業・経営する立場でも、従業員であっても、会社というのは人間が多くの時間を過ごすところです。
その会社とは、そもそも何のために存在しているのでしょうか?
会社経営の使命と責任は以下の5項目です。
1)社員とその家族を幸せにする
これが一番重要です。
「お客様第一」をモットーに掲げるのは構いませんが、その大切なお客様に奉仕するのは社員です。
社員がやりにくいと感じるような環境で、お客を満足させるような商品やサービスは生まれません。
「天皇」といわれるような経営者の一挙手一投足にビクビクし、リストラにおびえ、低い給与でサービス残業をさせられるような環境で、まともなアウトプットが生まれる訳がありません。
なぜか?
社員は人間だからです。
社員を取り換え可能な消耗品として扱っている経営者は、一番大切なことを分かっていないのです。
2)外注先や下請け企業の人間を幸せにする
二番目がこれです。
なぜか?
下請け企業は、外部にいる社員だからです。
自社で出来ないこと、やりにくいことを代わりにやってくれているのです。
彼ら無しには、会社経営は成り立ちません。
日本では、なぜか、大企業の下請け企業は中小零細が目立ちます。
大企業が空前の利益を上げて、数々の減税措置で何百兆円という内部留保を積み上げている一方で、中小零細の多くは赤字です。
下請け企業を虫けらのように扱っている姿が目に浮かびます。
誰かの犠牲の上に成り立っている社会システムは長持ちしません。
理不尽の代償は大きく、遅かれ早かれ発注元の崩壊につながります。
歴史を少し紐解けば分かることです。
3)お客を幸せにする
3番目がこれです。
商品やサービスの受け手である顧客を満足させ、感動させ、幸せにすることの重要性は言うまでもありません。
その対価としていただくお金は、会社存続のための手段となります。
社員や外注先を幸せにすれば(甘やかすのではない)、お客のニーズに合った商品やサービスは自然と生まれるものです。
顕在需要への対応だけでなく、潜在需要の掘り起こしも、実行するのは社員です。
繰り返しますが、一番大切なのは社員です。
お客様は大切ですが、「お客様第一」という「常識」は間違いなのです。
4)地域社会を幸せにし、活性化する
4番目がこれです。
会社が事業活動をしている地域、およびその周辺に住む住民たちです。
会社が法人事業税などを払い、地域住民を雇用すれば、それは大きな貢献です。
様々な地域イベントに協賛し、寄付金を払い、清掃活動に参加したりすれば、とても喜ばれます。
「あなたの会社はこの町のシンボルだ」と言ってもらえるようになりたいですね。
逆のことをやっている企業も多いです。
有機水銀、カドミウム、ばい煙、放射性物質を広範囲にまき散らし、地域住民の健康被害を引き起こした企業があります。
ばれない様に隠蔽工作を行い、ばれても悪びれる様子がなく、ニヤニヤしながら裏で政治家と会食している経営者もいます。
こういう反社会的な企業は退場させねばなりません。
5)株主の幸せ
一番最後がこれです。
株主は会社の法的な所有者ですが、優先順位は一番低いのです。
上記1)~4)の項目を満足させるべく実行すれば、株主への還元(=配当金支払い)は自然とできるようになります。
株主の幸せは、あくまで結果です。
経営者の保身のため、株主のご機嫌を最優先にしてはいけません。
短期的な損得ばかりに目を奪われて1)~4)をないがしろにしたら、結果的に大損をするのは株主です。
このような愚かな経営者が「グローバルスタンダード」という言葉とともに跳梁跋扈しているのは嘆かわしいですね。
日本一入社してはいけない会社(?)の寒々しい実態:
会社が何のために存在しているのか、その優先順位を上記の1)~5)で述べました。
哲学を持ち、それをきちんと実行できている会社もあるでしょうが、少数派だと思います。
むしろ、1)の一番大切な社員を一番粗末に扱っている会社が多くなりつつあります。
私がよく知るメーカーは一部上場の大企業で経団連にも属しています。
社名は挙げませんが、そこのトップ経営者にとって、一番大切なのは株主のようです。
「得られた利益はすべて株主の配当に回したい」とか戯言を述べて、それが新聞に載り、社員はさぞかし驚いたそうです。
確かに利益を配当にすべて回せば株主は喜びますし、株価も上がります。
株主の利益に貢献すれば株主の評判も高くなり、経営者も安泰と思えなくもありません。
その経営者自身が自社株を大量に保有していたら、自分の財産も増えることになります。
その一方で、その会社のトップは、経営がうまく行かなくなると末端の社員を有無を言わさずリストラ部屋に送り込み、嫌がらせを行い、耐え切れず止めていった者も多いと聞きます。
非正規社員の割合を増やし、製造現場では景気の調整弁として扱われる者の割合が増えました。
下請け企業に対しては、一方的なコスト削減を押し付け、そこの社員を疲弊させています。
サービス残業の強要がひどすぎて、労働基準監督署の臨検対象となったことも数知れずです。
創業者が死去し、底の浅いサラリーマン経営者が後を継ぐと、こんな状態になる大企業は多いようです。
マスコミに悪名をとどろかせたことがない、世間的には優良との評判をもらっている企業ですら、実態は寒々しいものなのです。
大切にすべきものの優先順位を間違えたブラック企業が現在の日本には蔓延しています。
就職活動や転職活動をしている人には、ブラック企業の毒牙に引っかかって欲しくありません。
大切にしたい会社とは?
知らず知らずのうちに、堕落した経営陣によって大企業病にかかり、多くの有名メーカーの経営が傾きました。
悲惨なのは社員たちです。
その実態は、ほとんどマスコミで取り上げられることがありません。
「アベノミクス万歳!」という新聞の見出しを眺めていても真実にはたどり着けません。
我々が大切にすべき会社はどこでしょうか?
そこの商品を購入したり、社員になって働くべき会社はどこでしょうか?
下記リンクの書籍が、非常に示唆に富む例示をしています。
詳細はここで述べません。実際に書籍を購入し、読むことをオススメします。
一つだけ少し紹介しましょう。
神奈川県川崎市の日本理化学工業(株)は、粉の飛ばないチョークを主に生産する小さな企業ですが、従業員の7割程度が知的障害を持っています。
障がい者の雇用は、1959年から始めたそうです。
ほとんどの大企業が障がい者の雇用から逃げている現状にあって、7割という数字は脅威です。
障がい者と健常者が共存し、協力し、創意工夫してよい商品を送り出して、その結果、何十年も存続しています。
そこの社員は皆、自信にあふれ生き生きしています。
社会に貢献しているんだ、人のために役立っているんだという自負があります。
人づてで噂を聞き、どんどん協力者が現れます。
こういう会社を我々は大切にすべきです。
本書から一部を引用します。1959年当時のエピソードです。
引用始め
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知的障害をもった二人の少女の就業体験が終わろうとするとき、十数人の社員全員が、大山社長を取り囲みました。
「あの子たち、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか、大山さん、あの子たちを正規の社員として採用してあげてください。もしあの子たちにできないことがあるなら、私たちがみんなでカバーします。どうか採用してあげてください」
これがみんなのお願い、つまり、総意だと言います。
社員みんなの心に応えて、大山さんは少女たちを正社員として採用することにしました。
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引用終わり
日本理化学工業(株)の他にも、たくさんの魅力的な企業が紹介されています。
就活生や転職を考えている人全員に読んで欲しい名著です。
社会的使命と責任を果たし長期継続する会社をどうやって選ぶか?
就職を考えている人は、何としてでもブラック企業を避けたいはずです。
ブラック企業への就職は、それ自体が犯罪行為への加担だからです。
本当の意味でのプライドを持つには、ホワイト企業で働く必要があります。
会社案内やネットでの口コミも大切ですが、それ以外のチャンネルを使って、なるべく真実に近い情報を得る必要があります。
下記の転職支援サービスは、ブラック企業をリストから排除するために心を砕き、その情報を積極的に利用者に提供しています。
みなさんにとって何かしらお役に立てると思います。
料金はかかりませんから、一度、利用なさってはいかがでしょうか?
参考記事のリンク:
【あなたの会社はブラック企業?】ホワイト企業への転職を成功させる方法とは?
皆様の成功をお祈りいたします。
以上